変わらないものはない。けれども大きな変化を目の当たりにすることもない…
いつか過去を——今いる時代を振り返ったとき、あの時代の自分は無数の大きな変化を当たり前のように受け止めていたのか、と苦笑してしまうかもしれない。
変わっていっているもの。それは、例えばAIだ。
AIが囲碁で人間に勝利したという話題はメディアでも取り上げられるほどだったが、それを今後のことと絡めて息を呑んだ者はどれくらいいただろう。
ほとんどの人は、「AIすごい」「機械の技術はここまで進化したのか」という漠然とした感想しか抱かなかったのではないだろうか。
確かに、技術の進化を看取できる事例だったと思う。だがそこに見られた変化は、機械技術の発展だけではない。
AIが勝つようになったことで、そのゲームの主旨、或いは常識が変わってくる。単純に頭が良い人が勝つということではなく、ミスをしない人間が勝つというゲームに変わってしまった。
技術の発展はすなわち現在定着している常識が変わっていくこと。
価値観や定説が移り変わる時代の中で、更に変わっていく空気を肌で感じながら、僕らはそれでも生き残っていくんじゃないだろうか。
2018年、目に見えない新たな話題の種は今年も目まぐるしく散らばって、芽生え始めようとしているような……そんな気がした。
名前が記されていない種を育てる人間は、今この世の中に何人いるだろう。
綺麗な花が咲くか分からない。蕾すらつかないかもしれない。
それでもそれに価値があると信じて土を固め、そこに水を注ぐのは、周りから見れば馬鹿げた行為にとられるだろう。
ただ、僕らはそれを勇気ある行動だと思っている。
なぜなら、本当に価値があるかもしれないから。
ぐんと伸びた茎の先に、大勢の目を引きつけるような花が開くかもしれないから。
僕らは道端に転がる種を拾って、それを植えた先に何かがあると感じ取り、それが流行に繋がると信じて流行を先駆ける。けれどそれが一度であってはいけない。
何かが流行しても、その流行りはすぐに廃れ、また新しい何かが流行る。
人の興味を引きつけるものは、テレビ、新聞、SNSなどですぐに広まって大衆の目に届く。
情報が飛び交う世の中で、常に流行しているものはないといっても過言ではないのだ。
生来、人は噂や新しい話題を好む。
周囲を見回してみて、変わらないものが見当たらないのは、人間が同じものだけに熱中し続けていられないからだ。
見慣れたものは見向きされない。
嫌というほど聞いたものは、風に流されて消えていく。
咲いてはすぐに枯れていく流行を、誰かが咲かせて枯れさせる前に、僕らが見つけて開花させる。
それがトレンドを抑えるということ。
B-ROCKは、起業から今年で9年目。来年で10年になる。
10年以上存続される会社が6%だと言われているこの時世で、僕らはここまで残ってきた。
前向きに考えて、それは僕らを必要としてくれるお客様に恵まれ、僕らがその方々に応えようとした結果だと思いたい。
ひとりひとりの価値を大切にして、その価値を集めてより大きな価値を作っていく。
無常な世の中で求められるものが変わっていっても、僕らは臨機応変に対応していく。
転ばないように足下ばかりを注視するのではない。
流れに置いていかれないように、流れを追い越すように、先へ先へと目を凝らす。
話題の渦の中から一際大きな話題になるものを掴んで、それを世間に届けるため、僕らは腕を上げていく。
そんなものに目を付けても意味がない。
そんな話題を取り扱っても儲からない。
なんて言葉が耳に入ってきても、止まらずに進みたい。
トレンドの先を掴める人間はきっと、自分の道を進む者だろうから。
多くの人が目を付けているものに手を出しても、それは枯れていく話題だ。
枯れた話題を追うのではなく、わっと驚く話題を咲かせたい。
そうして僕らは、今までより一層、後ろ指をさされながら歩んでいくことにした。
……ま、失敗しちゃうことも多いけどね!
Rock out! Brock
2018年1月株式会社ブロック谷宮武将